ープラント配管の種類とは？特徴や施工時の注意点を解説ー

建物の内部には、さまざまな配管がありますが、中でも工場の配管は危険な物質を通すための配管もあり、専門性が高い工事とされています。

この記事では、工場内のプラント配管について、種類や特徴、施工の際の注意点を解説します。

プラント配管とは

プラントの意味は「生産設備」で、さまざまなものを生産するための大規模な施設、つまり「工場」を指しています。工場のほかに、石油コンビナートや製鉄所なども、プラントの一つです。

プラント配管とは、プラントで使用される配管のことをいいます。また、配管を設置するための作業のことも総称しています。大規模な生産設備であるプラントには、さまざまな配管が設置され、気体や液体はもちろん、粉体を運ぶ配管があるのはプラント配管ならではの特徴といえるでしょう。

ただ管を配管し、その中を流せばいいというわけではなく、さまざまなことに注意が必要です。可燃性のあるものや高温のもの、毒性のある薬品など、危険な物質も多く、それぞれの特性に合わせなければなりません。そのためには、配管の知識や技術だけでなく、配管の中を通る物質についても知識が求められます。プラント配管はほかの配管工事とくらべて、高度な知識や技術が必要な、専門性が高い仕事です。

プラント配管の種類

プラントは、さまざまな配管が設置されている大規模施設です。プラント配管には、主に3種類の配管があります。それどのような配管なのかを解説します。

1.液体配管

液体配管は、水道水や排水など、液体を通すための配管です。プラント配管の場合は、油や薬品も配管を通ることがあるため、高度な知識や技能が求められます。

プラント配管での注意点は、配管の中をスムーズに通れるような対策、また、冬の凍結による破損を防ぐための対策が必要です。配管を通りやすくするためには、空気抜きの弁や配管径を小さくする方法があり、凍結防止のためにはレイアウトに工夫しなければなりません。

2.気体配管

気体配管は、空気や蒸気、ガスなどの気体を運ぶ配管です。プラントの設備をつないでいるプロセス配管や、真空の状態にするための真空配管も、気体配管に分類されます。

プラントで気体配管を設置するときの注意点は、温度や圧力の変化が最小限に抑えられるよう、配管で運ぶ物質に適した素材の配管を選ぶことです。蒸気を運ぶ配管の場合、高温高圧に対して耐久性があることが必須となります。

3.粉体配管

粉体配管は、粉を運ぶための配管です。粉体配管が設置されるのは、食品工場や薬品工場で、小麦粉や薬品などの運搬に使われます。粉体配管は住宅や商業施設などでは必要ないものなので、プラントならではの配管といえるでしょう。

粉体配管の注意点としては、粉からできるダマで配管が詰まらないよう、内部が平滑な素材を使用したり、カーブ部分を少なくしたりすることです。気体や液体と異なり、粉体は粒の一つひとつが個体のため、ダマができる可能性があるためです。

プラント配管で種類を選ぶ際の注意点

種類を選ぶ際にはさまざまなことに注意しなければならないですが、配管で運ぶ物質に合わせて配管の材質を選ぶことが、基本ともいえる重要なポイントです。また、周辺環境も考慮しなければなりません。配管を設置する場所により、厳しい環境となることがあり、環境に耐えられる素材の配管を選ふ必要があります。環境に合わない場合、耐用年数が大幅に低下する可能性があり、注意が必要です。