ひとことで「配管」といっても、その種類はさまざまです。
一般住宅の水道や排水、ビルや商業施設などの空調や、工場で薬品などを運ぶものなど多岐にわたっています。
配管工事の仕事に興味を持った場合、まずは配管の種類や配管工事について知ることがおすすめです。
今回は、そもそも配管とは何なのかを、わかりやすく解説します。
配管とは
配管とは液体や気体、粉粒体などの輸送を目的とする管をいいます。また、管でつくる設備や、管を設置する工事のことも「配管」と呼びます。
身近にある配管は、水道管やガス管がわかりやすいでしょう。一般の住宅だけでなく、工場や病院、大型施設などさまざまな場所に配管が必要です。水やガスのほかに、化学薬品など、危険なものを運ぶための配管もあります。
多くの電気機器を使用する場所では、電気配線を通して保護するための配管も欠かせません。 つまり、配管はプラントにとって血管のようなものであり、配管なしでプラントは成り立たないのです。配管はまさに、工業を支えている存在といえるでしょう。
配管の種類
配管は大きく分けて3つの種類があります。
1.液体配管
液体が通る配管を、液体配管といいます。液体配管には、水が通る水配管と、油が通る油配管の2種類があります。
2.気体配管
気体が通る配管を、気体配管といいます。空気のほかに蒸気や冷媒、ガスなどが挙げられ、身近なところでは、エアコンの室内機と室外機をつなぐ冷媒配管があります。
3.粉体配管
粉体が通る配管を、粉体配管といいます。小麦粉のようにパウダー状のものから、グラニュー糖のような顆粒状のものまで、粒体が大きさはさまざまです。 液体配管や気体配管と大きく異なる点は、粉体がダマになりやすく、詰まってしまうことです。そのため、配管の設計を工夫しなければなりません。
配管工事の種類
配管工事には4つの種類があります。
1.ガス配管
ガスを供給するために、都市ガスなどのパイプを設置します。配管を設置する際にミスがあると、ガス漏れが起こり、中毒や爆発の可能性があります。大事故につながりかねないため、ガス配管工事を行うには、レベルの高い技術と知識が必要です。
また、病院などの医療施設では、医療用のガス配管が必要です。液体窒素や酸素が配管を通るため、配管に不具合が起きて使用できなくなると、患者さんの生命にかかわります。そのため、医療施設でのガス配管は、「医療ガス配管」として、一般的なガス配管とは分けられています。
2.空調配管
空調配管は、オフィスビルや商業施設などの空調システムを設置する工事です。大型のビルや施設には、ボイラー室があり、業務用のエアコンが完備されています。配管だけでなく、空調設備に関する知識や、大型施設で配管の施工をするためのスキルが必要です。
壁や天井、床下などに空調のための配管を設置しますが、狭い場所が多く、集中して作業を行う必要があります。
3.衛生配管
水道や下水など、建物の給排水をするための配管です。衛生配管には2種類あり、建物内の水道やトイレなどに水を送る配管と、外部の上下水道につながっている配管があります。
建物の外部にある下水工事では、ガスの漏洩が起きている可能性があり、細心の注意が必要です。
4.プラント配管
プラント配管とは、工場内の配管のことをいいます。一般的な建物とは違い、工場では化学薬品や高圧ガスなど、危険な物質が配管を通ることが特徴です。配管でミスがあれば、大事故につながることが考えられます。
また、配管のなかを通る物質の特徴に合わせて、配管の素材を選ばなければなりません。化学薬品など、扱う物質に関する知識も求められます。このことから、プラント配管は特殊な技術と知識が必要なため、プラント専門の職人でなければ施工できません。
まとめ
水道やガスなど、建物に必要な配管は、さまざまな種類があります。配管工職人に興味がある人には、配管の種類を知っておくことが大切です。