アスファルトで舗装された道路を見て、これがどのようにして行われている工事か分かる方はそこまで多くありません。
あるいは、土に直接アスファルトを盛ってロードローラーで舗装するだけといったイメージを持っている方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際は4つの層によって舗装工事が施工されているのです。
今回は道路工事の手順を調べてどのようなものがあるのかを紹介していきます。
道路工事の4つの層
道路工事には4つの層があります。
それは、表面から順番に表層、基層、路盤(ろばん)、路床(ろしょう)で構成されています。
まず、表層は黒いアスファルト部分です。
ここは多くの方が目にしていて道路工事といえばこの部分というイメージがあるのではないでしょうか。
表層のすぐ下には基層があります。
実はこの部分も表層と同じアスファルトの部分で構成されているのです。
道路のリニューアル工事ではこの基層の部分をある程度残して、舗装し直すといったこともあります。
基層を剥がすと路盤が出てきますが、ここは砕石と呼ばれる砂利などで構成された層です。
均一に敷き詰められており、実は知られていない道路の部分になっています。
一番下は路盤です。
ここは土でできた層で、しっかり固められた部分になっています。
このように4つの層で構成されており、この層の間には乳剤と呼ばれる液体を散布してそれぞれをくっつけているのが特徴です。
4つの層を効率よく舗装していくのが道路工事の舗装になります。
道路工事の5つの舗装手順
舗装するにあたって道路工事には5つの手順があります。
それは測量、路床工事、路盤工事、基層工事、表層工事の5つです。
測量は道路や道路にまつわる様々な設備を設置するために重要な手順です。
設計図や現場情報をもとに、実際の現場確認を行います。
設計図のチェックや足りない部分は自分たちで測量を行い道路工事に必要な高さや距離といった情報を取得します。
次は実際の道路工事の手順です。
最初に土を均一にする路床工事を行います。
実は厚さが1m以上にもなる厚さの土をブルドーザーやモーターグレーダーで均(なら)していきます。
この部分が弱いと道路の陥没やへこみが発生してしまいます。
3つ目は路盤工事です。
路床の上に砕石を撒き、モーターグレーダーで均していきます。
これを敷均し(しきならし)といい、搬入された土砂を平らに均す作業です。
道路の交通荷重を広く分散させて路床に掛かる負荷を分散させます。
安全な交通を確保するためにも重要な作業です。
ここからアスファルトを敷いていきます。
純粋なアスファルトに砂などを混ぜて加熱したアスファルト混合物をアスファルトフィニッシャーという重機で敷均ししていきます。
最後に表層にアスファルト混合物を敷き均ししていきますが、基層のアスファルトよりも目の細かい粒の砂などを混合し、摩耗に強い舗装なのが特徴です。
そもそもなぜ舗装のための道路工事が必要か
ここで改めて舗装の道路工事の必要性について解説しましょう。
主な目的は雨天時などのぬかるみや乾燥時の粉塵を抑えること、車両や歩行者がスムーズに移動できるようにすること、そして景観の維持といった点が挙げられます。
キレイな街で安全に快適な交通や環境を確保するためにも道路工事は必須なのです。
まとめ
舗装は道路工事の重要な方法であり、単にアスファルトを敷設するだけではありません。
今回紹介した4つの層を丁寧に工事していくことで、機能性の高い道路を利用することができます。
また、より快適で文明的な生活を送るうえでも必須の土木工事であり、今後もその重要性は変わらないでしょう。
もし道路工事を見つけたら、このように規則正しい工程で施工されていることを思い出してください。