工場にあるプラントの配管は専門の技術を持ったプラント配管工が活躍しています。
しかし、関係者以外の方にとってプラント配管工は、どのような仕事をしているのかわからないという方も少なくありません。
そこで今回は、プラント配管工とはどのような仕事をし、必要な資格はどのようなものがあるのかについて解説していきます。
基本的に会社勤務のプラント配管工
プラント配管工は、基本的にプラント設備を施工する会社に勤務して業務にあたります。
設計図をもとに、工場で求められているさまざまなプラント配管を設置していくことで活躍しているのが特徴です。
特別な技能が求められることからプラント配管工の需要は高く、求人数も多いのも魅力といえるでしょう。
プラント配管工の仕事内容
プラント配管工は次のような業務に携わります。
1・配管製作
2・配管取り付け
3・配管架台やサポートの製作
4・配管の洗浄
5・塗装
プラント配管を設置する前の配管製作もプラント配管工の仕事です。
現場においても配管レイアウトや設計図を見ながら施工しやすいように、溶接や切断といった加工をしていきます。
3Dに表現されたアイソメ図と呼ばれる特別な設計図を見ながら施工する点や、プラント配管工の特徴的な製作工程を踏まえているのが特徴です。
また、工場で着手する場合、搬入するサイズや搬入可能な形状なのかといった点にも考慮して対応する必要があります。
プラントの現場では取付業務がメインとなります。
接続が行われる作業で、溶接、ねじ込み、フランジと呼ばれる3つの種類の方法を用いて取り付けていきます。
まず、溶接の場合は点付け溶接やタック溶接(最低限の固定保持の溶接)で仮付けを行い、設置位置に問題がなければ全周溶接で本溶接を施工する流れです。
ねじ込みは、あらかじめパイプマシンでねじ切り加工を行い、シール剤やシールテープを設置してパイプレンチで固定します。
フランジ接続は、フランジと呼ばれる、パイプとパイプを接続するために使われる穴の開いたドーナツ状(または円状)の部品を使った接続方法です。
規格に合わせて必要な金具を用意し、レンチを用いて接続していきます。
架台やサポートの製作もプラント配管工が手掛けます。
配管は単独で設置できるものではなく、それを支えるための鉄骨や特定の形の金属部品を用意し、設置します。
鉄骨部品を配管ラック、特定の形をした金属部品(C型鋼、L型鋼)を架台と呼び、施工する作業も配管工の業務です。
配管のメンテナンスをすることも少なくありません。
主なものとしてステンレス配管に塩酸や硫酸を用いた化学洗浄、空気を使用して配管内の異物を取り除くエアブロー、水や油を流しながらブラシで洗うブラッシングがあります。
施工後の塗装もプラント配管工の業務です。
屋外に設置することも多いプラント配管は、塗装をしないと劣化してしまいます。
そうならないよう施工することも少なくありません。
形状が特殊なものや大掛かりなものは塗装会社が担当することもあります。
将来性もあるプラント配管工になるには資格が必要
AIに仕事が奪われるという話題を耳にしますが、プラント配管工は仕事を奪われることはありません。
日本に工場がある限り、仕事はどんどん出てくるでしょう。
さらに特殊な技術が必要なので他業種に仕事を奪われることもありません。
そんなプラント配管工になるには資格が必要です。
配管技能士と呼ばれる国家資格の中にプラント配管(1・2級)と呼ばれる資格があります。
この資格を取得して初めて、プラント配管工として活躍できます。
まとめ
プラント配管工は、専門の会社に勤務してプラントの配管工事を施工していきます。
その内容は多岐にわたり、プラント配管の製造や設置だけでなく洗浄や塗装といった業務をすることもあります。
需要も将来性もある職業であることも魅力です。
プラント配管工は、配管技能士と呼ばれる資格を取得することで活躍できるようになります。