プラント配管の設備は、その複雑な形状のために現場だけでの作業は難しく、図面の作成が必要不可欠です。
この配管の全体を把握するために、図面にはどのような特徴があるのでしょうか。
そこで今回はプラント配管の図面の特徴について、どのような点があるのかを解説していきましょう。
プラント配管図面作成の流れ
プラント配管の図面作成を行う流れとして次のような形で進められます。
1・基本設計
2・レイアウト作成
3・アイソメ図の作成
これらの3ステップについて確認していきましょう。
プラント配管の図面が作成されるまでの流れ
まず基本設計とは、プラント配管の図面を作成するにあたって押さえておくポイントをいい、次のようなものを指します。
・プロットプラン:配置図のこと、プラントの全体像
・各種一覧表:弁リストや配管の厚さ・口径の一覧表
・配管仕様書:法規によるプラント配管のルール
・クラス分け:プラント配管の重要度、設計圧力、温度をクラスに分けたもの
これらの情報をもとに配管計装図あるいは配管系統図と呼ばれる図面が作成されます。
Piping & Instrumentation Diagram(P&ID)とも呼ばれるもので、プラント配管の基本的な図面になります。
まず、どこからどこに流れていくかを設計し、そのうえでどこにポンプ、バルブ、圧力計などの設備が来るのかといったことをまとめているのが特徴です。
次に配管のレイアウトを作成していきます。
これは現在コンピューターを使った作成が一般的になっており、専用の図面ソフトを使用して実寸で作成する形です。
図面ソフトには、AutoCADと呼ばれるものが使われ、2次元、3時面で書かれています。
ただし、この時点で各種確認をする必要があり、配管下流側で発生する圧力低下を計算した圧力損失計算や、熱や地震に配慮した配管フレキシビリティ評価といったものが行われます。
加えて、配管が自力で保てるようにサポート(架台)を検討するサポート計画も重要なポイントです。
3ステップ目としてアイソメ図を作成します。
これは、プラント配管全体を斜めから見下ろした図面です。
プラント配管の完成イメージを具体的にできる図面であり、複雑なものの場合は、2DAutoCADでしっかりと作成することがほとんどです。
現場ではアイソメ図を元にしてプラント配管の施工を行います。
これらのステップでプラント配管に必要な施工のための図面がほとんど完成します。
プラント配管の図面で用いられる2つの投影法
プラント配管には等角投影法と第三角法と呼ばれる二つの投影法があります。
投影法とは、物体の形や大きさがわかる図面の書き方をいいます。
プラント配管は、3次元の設備ですが、これを図面でも理解できる2次元に書き換えて表現するための方法です。
まず、等角投影法は、すべての面(X軸、Y軸、Z軸)がそれぞれ120度で表現されたものになります。
これは、アイソメ図に用いられるものであり、施工の際に確認しやすい書き方です。
次に第三角法は、平面図、正面図、側面図を組み合わせて書かれる方法です。
図面に忠実なので、配管レイアウトや、サポート、架台製作図といった図面で用いられることの多い書き方でもあります。
これら2つの書き方を書き分けてプラント配管の図面を作成していきます。
まとめ
プラント配管の図面は、図面を作成するソフトウェアのサポートによって作成されています。
溶接などの業務がスムーズにできるように、現場での利便性なども考慮された作成された図面は、主に等角投影法と第三角法の2つを用いて作成されているのが特徴です。